Vol.44:2014/04/22 西田まこと通信
【西田まこと】アジアの海に平和を
今週23日にアメリカのオバマ大統領が、国賓として来日されます。24日の日米首脳会談では、TPPや安全保障など二国間の課題に加えて、アジア周辺地域の平和と安定が重要なテーマになると思われます。
アジアの海に平和をもたらすために、日本は、人材育成などのソフトパワーをさらに発揮すべきです。私は、先月4日の参議院予算委員会で、アジアの海を「力」ではなく、「法の支配」によって貫徹させていくためには、日本とアジア各国が連携して、海の安全を守る人材の育成や共同訓練を行う事が重要であると、総理に訴えました。
広島県呉市の海上保安大学校では、3年前から「アジア海上保安初級幹部研修」が行われています。インドネシア、フィリピン、マレーシア、ベトナムなどから参加した研修生の声です。「日本に来るまでは、密漁者には発砲するしかない、と考えていたが、海洋における問題は国際法にのっとり解決することが重要であるという認識に変わった」。「海はつながっているからこそ、一国だけではなく、各国の海上保安機関が連携協力し、共通認識を育んでいくことが大切だと分かった」。
衆議院でも遠山清彦議員が同様のテーマで質問しました。この連携プレーにより、安倍総理からは、「海上保安分野での交流を促進する」(参議院)、「アジア諸国との協力関係を強化していく」(衆議院)との前向きな答弁がありました。こうした海上保安業務のアジア連携事業(人づくり)に、来年度から国家予算が投入される見通しも出てきました(現在の研修は日本財団の予算により賄われ、国家予算は当てられていません)。
24日の日米首脳会談では、東南アジアでの沿岸警備の人材育成に、日米で取り組むことも確認されるのではないか、と期待しています。そして、やがては中国も含むアジア全域において、力ではなく、法の支配による海の安全が守られるよう、日本は人材育成などのソフトパワーをもっと発揮していくべき、と考えます。